メディアコンテンツ研究会―活動報告
本会はサブカルチャー、マイナーカルチャー全般に知的好奇心を持つ人々が集まって、                                   評論・情報系の合同誌『SUB & MINOR』を発行することを目標としています。

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強い!絶対に強い!〔角屋玄造のコラム3〕
ニコニコ動画でフルアニMAXが配信中の黄金バットが熱い。



頭部が黄金のドクロであり、マスコットがコウモリ。
ハハハハハハハハハ!と、凄まじいまでの悪人笑いで大空を飛び回り、悪役以外の何も連想できない素敵な正義の味方である。
とにかく、「飛行能力」「謎の怪力」「チンと良い音のするステッキの破壊属性」以外には 明確な特技が無いために、ストーリー展開上、ピンチの時に黄金バットさんが 登場する必然性が薄く、「最初っからそうしろよ!」というクライマックスも多い。毎回楽しく腹筋崩壊させていただいている。
レトロ作品をやや斜めに楽しむ作法は世間的にはさほどメジャーではないと思っていた。

代々木の某アニメーション学院に通っていた同級生は「スペース西遊記」を「おもしれー」「かっこえー」とガチで楽しんでいたし、「仁義なき戦い」を完全にギャグとして楽しんでいた僕に共感してくれる 人は大学には皆無で あった。
ところが、ニコ動では、見事にこの種のツッコミがニコ廚のみなさんによって入れられており、お前らwwwwww
という感じである。

ツッコミどころの一つに、ジャイアンカラーの服装と髪型の少年、ドコノダレオ君(本名)がいる。
今日的な感覚から見れば「超KY君」という立ち位置であり、ニコ動コメントをみても大多数からはそのように理解されているようだ。
のっそりした話し方で緊迫した場面でも種々よけいな事をして失敗し、年下であろう主人公のタケル少年からもバカにされており、板チョコでつられて口止めをされたりする。
第一話中で秀逸であったのは、緊迫シーンでその板チョコをモソモソ食べながらタケル少年を応援するその勇姿である。アトランティス大陸の遺物、黄金バットの復活に際しては石畳をはがす、石棺の蓋をこじ開けるという怪力を発揮する体力キャラぶりも見せつけた。
この少年、昭和42年の放送当時の感覚から言って、これはおそらく知的障害者という設定であったろう。
今日でこそ、そのような設定を全面に押し出してコミカルなキャラを描写したりしたら大問題である。
そういう平成の常識からしても我々はダレオ君の設定には思いが至りにくい。

ダレオ君は、その投げやり過ぎる名前からして出自のわからない子供であった事が想像される。
明らかにヤマトネ博士や博士の息子のタケル君とは血縁関係になく、ヤマトネ研究所の家事手伝い身分である。これは、現在より遙かに高給取りであった大学教員や研究所所長という、「博士」が、その社会的な地位にみあった社会に対する責任を果たしているという表現である。
しかし、もう一つダレオ君には「福子」という側面もあるだろう。
(「福子」に関しては長くなるので、ぜひ「山田厳子」「福子」でググってみてもらいたい。)
給金が必要でなく、財産分与・結婚による所帯の独立の心配をしてやる必要もない。
言わば部屋住みの身分として労力を提供する社会成員であり、そのような子供が生まれた家には福がもたらされるという存在であった。落語に出てくる「与太郎さん」や、「全員集合」の志村けんがコントで演じる子供など、コミカルで周囲を和ませるイメージも、これに由来している。

「福子」という社会システムが必ずしも全ての障害者をカバーしていたわけではない。

少なくとも現在の福祉制度が昔よりも大勢の障害者の社会生活を支援している事は疑いないが、笑いをふりまく存在から、保護される対象としての転換点において暗いマイナスイメージがついてまわり、差別意識の肥大化によって、なかなか触れにくい存在になってしまったという反面もあるのだ。
元気に活躍するダレオ君、がんばってほしいものである。
(文・角屋玄造)
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[2011/06/07 00:19] アニメ | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |



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